自己資本比率規制と早期是正措置に関する用語:証券業務入門講座

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自己資本比率規制と早期是正措置に関する用語

BIS

 Bank for International Settlementsの略で、国際決済銀行と訳される。各国の中央銀行をメンバーとする国際銀行で、1930年にスイスのバーゼルで設立された。中央銀行間の協力促進に貢献してきたのに加え、中央銀行の預金受入といった銀行業務も手がけている。毎年6月に年次総会を開催するほか、主要国中央銀行総裁会議(G10)を開催している。
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BIS規制

 BISの銀行監督委員会が定めた銀行の自己資本比率の統一基準を指す。1988年7月のG10で最終合意がなされ、日本では93年3月末から適用されている。BIS基準の自己資本比率は、分母である総資産が、簿外資産も含んだ各資産をリスク・ウェイトを乗じて調整・合計したもので、分子となる自己資本は、基本的な自己資本項目(Tier 1)+補完的自己資本項目(Tier 2)である。

 国際業務を営む民間銀行は、自己資本比率8%以上が要求された。1997年末からは、デリバティブ取引の発展を反映してBIS基準がさらに拡充されている(日本での採用は98年1月から。
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Tier

 【Tier 1】
 普通株式や帳簿上の準備金といった、基本となる自己資本項目を指す。

 【Tier 2】
 BIS自己資本比率の自己資本に加えられる補完項目を指し、有価証券含み益、貸倒引当金、永久劣後債、期限付劣後債などが認められている。Tier 2の算入額は、Tier 1の額を上限とする。

 【Tier 3】
 拡充されたBIS自己資本比率に新たに加えられた準補完項目で、短期劣後債が含まれる。Tier 3の算入額は、Tier 1の額を上限とする。
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簿外資産

 バランスシートに数字が計上されていない資産を指す。具体的には、債券発行における支払保証、金利オプション、通貨オプション、オプション先物残高などが挙げられる。国際金融市場の証券化に伴ってオフバランス取引が増大している中、BISは、オフバランス取引も監視できるように自己資本規制の国際統一基準を設けた。
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リスク・ウェイト

 BIS自己資本比率の算出に用いられる比率で、資産の安全度、危険度を示す。最も安全度の高い資産のウェイトは0、最も安全度の低い資産のウェイトは1として、各種資産が加重計算される。具体例として、現金や中央銀行向け債権のウェイトは0、通常の債権は1となっている。
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有価証券含み益

 株式を初めとする有価証券の時価が、簿価を上回っている場合のその差額を指す。逆に、時価が帳簿価格を下回っている場合の差額は有価証券含み損と呼ぶ。有価証券含み益は、45%までBIS自己資本比率のTier 2に含めることができる。

 建設国債の償還年数は、原則として、国債発行によって建設される公共施設の平均耐用年数の60年とされている。
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劣後ローン

 企業が破産宣告などを受けた際に、一般の借入金と比べて元利金の支払順位が低い無担保の貸出債権を指す。日本では1990年から解禁となっており、大手銀行が生損保会社から借り入れを行っている。
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劣後債

 企業が破産宣告などを受けた際に、一般の社債と比べて元利金の支払順位が低い無担保の債券を指す。一般債務の返済後に返済が開始されるので、自己資本に近い性格を持ち、BIS自己資本比率のTier 2、Tier 3に含められる。都銀や大手地銀が積極的に発行している。
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早期是正措置

 金融当局が検査を実施することにより、不健全な金融機関を発見し、経営の健全化を義務づけたり、債務超過機関の早期破綻処理を進めたりすることを指す。日本では、1998年度から大手銀行に、99年度からその他の銀行に対して導入された。日本の早期是正措置は、自己資本比率の大きさに従って銀行を3つのグループに区分し、それぞれの区分ごとに異なる措置を取るよう金融庁が指導している。

 また、生命保険会社の早期是正措置は、ソルベンシー・マージン比率が200%を下回ると経営改善計画の実施や業務停止命令が発せられ、100%未満になると自己資本の充実が要求される。
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ソルベンシー・マージン比率

 生命保険会社の財務体質の健全性を表す指標の1つで、一般企業の自己資本比率に相当する尺度として作られた。保険会社が有する資産の運用リスクや手持ちの保険契約のリスクに対し、どの程度の対応力(支払能力)を持っているかを示す。

 価格変動準備金や土地の含み益等から計算したソルベンシー・マージン総額を、(保険リスク+資産運用リスクの合計)÷2で除することで出される。最低比率は200%である。日本では、1998年3月期から生保各社が情報開示を始めている。
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証券会社の自己資本規制

 証券会社の経営の健全性を維持する目的で、一定の資本確保を義務付けた規制を指す。1990年4月から導入された。市場リスク、取引先リスク、基礎的リスクを計量化した合計を上回る非固定化自己資本(自己資本-非流動資産)の保有を義務付けている。

 非固定化自己資本をリスクで割って%表示にしたものが自己資本比率となる。1997年に証券会社の不祥事や経営破綻が相次いだことにより、99年から算定方法が一部変更されている。
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米金融制度改革法

 正式名称は「連邦預金保険公社改善法」で、1991年12月に成立した。1980年代から90年にかけて、商業銀行や貯蓄貸付組合の多くが経営危機に陥った経験を教訓として、連邦保険公社(FDIC)の強化を目的としている。

 具体的には、①FDICの資金枠拡充、②連邦監督局監督体制の強化、③早期是正措置の導入(日本より厳しく、自己資本比率10%未満で業務改善命令が発動される)、などから構成されている。
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