金利の決定要因と利回りカーブに関する用語:証券業務入門講座

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金利の決定要因と利回りカーブに関する用語

市場金利

 多数の参加者の取引を通じて成立する金利を指す。コール・レートやCDレートといった短期金融市場の金利や債券利回りなどがその代表例である。逆に、相対取引市場で決まる金利などは市場金利とは言えない。
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貸付資金需給説

 金利決定のメカニズムに関する学説の1つで、貸付資金に対する需要と供給によって資金が決まるとする説を指す。資金の需要者は、金利が低くなると多くの資金を借りようとし、資金の供給者は、金利が高くなると多くの資金を貸付けようとするため、貸付資金の需要曲線と供給曲線が交差する点で金利が決定する。

 そして、取引費用の有無により資金の供給曲線が上下にシフトする。例えば、金融機関の存在は、存在しない場合に比べて取引費用が低く抑えられるため、供給曲線は下方にシフトする。
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流動性

 金融資産をどれだけ容易に貨幣に換えられるかという概念を指す。

 各金融資産によって流動性は異なり、その決定要因は①取引費用(資産売買のための取引費用が大きくなると流動性は低くなる)、②可分制(細かく分割して売却できる資産は流動性が高い)、③確実性(資産の将来価格が確実に予測できるものは流動性が高い)、の3つが挙げられる。例えば、定期預金は、満期前に解約して現金化すると利子率が低下するという制約があるものの、債券に比べると流動性は高い。債券は換金するのに時間がかかる上、値下がりして元金が目減りする可能性もある。
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流動性選好説

 金融資産の一部を貨幣で保有しようとする人々の欲求(流動性選好)と貨幣供給量によって利子率が決まるとする説で、J.M.ケインズによって唱えられたのが始まり。

 貨幣に対する需要には、①取引動機(日常の経済取引のために保有)、②予備的動機(不意の支出に備えて保有)、③投機的動機(流動性が低い資産の保有による損失を防ぐために保有)、の3つがあり、貸付資金需要説が、資金のフロー取引から説明しているのに対し、流動性選好説は、ストック取引によって決まるという見方をしている。
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流動性プレミアム

 流動性の低い金融資産の保有者が、換金の際に感ずる不便さの代償として高い金利を要求した場合の、金融資産間の金利差のことを指す。流動性の低い金融資産を保有する人は、流動性の高い金融資産を保有する人と比べて、換金に取引費用がかかったり、元本が確実に回収できない恐れがあるという意味において不便を感じるとの考えに基づいている。
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流動性の罠

 利子率が著しく低い状態に陥ると、大半の人が、低い利子しか生み出さない債券よりも貨幣を保有しようとするため、中央銀行がいくら金融緩和を行って貨幣供給しても、それ以上に金利が上昇しなくなる状態を指す。日本の超低金利下における経済不振長期化の原因は、流動性の罠に陥ったためとする見方がある。
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金利裁定

 異なる金融資産間の利回り差を利用し、資金を移動することで利ざやを稼ぐ取引を指す。例えば、銀行から1年間資金を借り入れる際の金利が5%、残存期間が1年の社債の流通利回りが5.5%である場合、銀行から借り入れてこの社債に投資すると利ざやを稼ぐことができる。裁定取引が活発になると、貸出金利が上昇、社債の流通利回りが低下することにより、金利の均衡が保たれるという効果がある。
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実質金利

 名目金利から将来の予想物価上昇率(期待インフレ率)を差し引いたものを指す。しかし、予想物価上昇率の測定は困難であり、実際は現在の物価上昇率を使って計算することが多い。
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利回りの期間構造

 直接利回りのことで、クーポンを購入価格で割った比率を指す。決算期の経常利益を重視する金融機関や事業会社では、応募者利回りや流通利回りではなく直利に重きを置く傾向がある。これにより、クーポン・レートの高い債券の流通利回りは相対的に低く買われることが多く、この傾向を直利指向と呼ぶ。
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固定金利と変動金利

 債券などの利回りと残存期間との間にある構造的関係を指す。通常は、残存期間の短い債券よりも長い債券の利回りの方が高くなる傾向がある。これは、長期債が短期債に比べて残存期間が長く、将来の価格変動の不確実性が高いため、換金したときに損失が発生する可能性が大きいからである。
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イールド・カーブ

 横軸に残存期間、縦軸に年利回りを取り、同種類の債券の利回りの期間構造を曲線で結んだものを指す。通常は右上がりの曲線になり、これを順イールドと呼ぶ。残存期間がある期間を超えると、勾配が緩やかになり最後は平坦になるのは、遠い将来の不確実性はほとんど変わらなくなるためである。逆に長期債になるほど利回りが低くなるカーブは逆イールドと呼び、金融情勢が逼迫していることから短期金利が高くなっているような場合に発生する。
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