株式に関する用語:証券業務入門講座

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株式に関する用語

株式会社と株式

 株式会社とは、合名会社、合資会社と並び、商法で認められた会社形態であり、最も代表的なものである。さらに、有限会社法で認められた有限会社も存在する。これらの会社が異なる点は、会社の債務に対する社員の責任範囲である。株式会社の場合、社員である株主は会社債務に対して責任を負わず、株式の引受額を上限とする出資義務を持つのみである(有限責任)。これにより、多数の人々から広く資金を集める事が可能となった。

 株式会社に出資した株主には、その地位を表す株券が発行され、1株式当りの株主の権利は平等と定められている(株主平等の原則)。一方、株主が会社経営に直接参加することは困難であり、実質的な経営は専門家に任せるのが実情である(所有と経営の分離)。
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優先株

 優先株とは、利益の配当や残余財産の分配に当り、普通株(通常の株式)に優先してそれらを受け取る権利のある株式を指す。こうした権利内容の異なる株式の発行は、商法222条でも認められており、優先株の中にも、一定の配当を受けたあとにまだ利益が残っている場合、その利益を受け取る権利のあるものや、普通株に転換することのできるものなど、色々な種類がある。

 日本で発行されている株式の大半は普通株であるものの、1991年4月の商法改正により発行手続きが簡素化されたことで、資本増強を狙う金融機関などが優先株を発行するケースもみられるようになっている。また、利益の配当や残余財産の分配が普通株の後でないと受け取れない劣後株の発行も認められている。
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増資

 増資とは、株式発行による資金調達の最も基本的な手段であると同時に、自己資本を強化するための重要な方法である。増資には、株主が新たに資金を拠出する有償増資と、企業に新たな資金が流れ込まない、株式の無償交付、株式配当などがある(現在は株式分割と呼ばれる)。有償増資はさらに、その募集形態により、公募増資、株主割当増資、第三者割当増資に分けられる。
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公募増資

 公募増資とは、不特定多数の投資家に対して同条件で株式を発行することを指す。商法では、時価による発行を原則としており、時価以外の有利な条件による発行は、株主割当および株主総会の特別決議がある場合のみ認められている。時価といっても、通常は、価格決定日の前日の時価を基準として、3%前後の割引が行われている。公募増資により、資本金は、(発行株数)×(発行価額)分だけ増加するので、(発行済株式総数)×(券面額)と資本金の額はイコールにならない。

 しかし、発行価額の2分の1以上を資本に組み入れることを条件に、発行価額の一部を資本準備金とすることが認められている。公募・時価発行増資は、1969年の日本楽器(現在のヤマハ)が行った公募増資をきっかけとして定着していったものの、バブル崩壊後の1990年代からは、公募増資が事実上ストップした。
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株主割当増資

 株主割当増資とは、既存の株主に新株引受権を与える方法を指す。1960年代までは増資の主流であったが、その後、公募増資がメインとなった。時価発行が原則である公募増資と異なり、発行価額は、額面額以上であれば自由に決められる。

 以前は、額面による発行が主流であったものの、最近では、額面価格と時価の間の価額で発行されるケースが増えている(中間発行)。無額面株式の場合は、取締役会で自由に発行価額を決定することができる。
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第三者割当増資

 第三者割当増資とは、既存の株主以外に新株引受権を与える方法を指す。会社の役員や従業員、取引先や関係金融機関等との関係強化および系列化を目的に実施される。上場会社の有償増資の方法としては特殊であったが、バブル崩壊によって公募増資がストップしてしまったことで、有償増資の主流に躍り出た。公正な発行価額が要求されるため、有利な条件の場合には、株主総会の特別決議による承認が必要となる。

 未公開会社の場合の発行価額は、会社の資産内容、経営・収益状態等を考慮し、新株発行が成功する範囲における最高価格と定められている。
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エクイティ・ファイナンス

 株式の発行による資金調達を指す。有償増資だけではなく、いずれは株式に転換する可能性があるという意味で、転換社債や新株引受権付社債の発行も含まれる。借入や普通社債の発行と違い、自己資本の充実につながるという利点を持つ。
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額面株式と無額面株式

 株式には、額面株式と無額面株式がある。額面株式の場合、会社の定款に定められた券面額が株券上に記載され、無額面株式の場合は、株数のみが記載されている。額面株は、商法で最低券面額が決められており、1981年の商法改正により、現在は5万円となっている。しかし、上場会社の多くは、現在でも、1948年の商法改正以前に採用されていた50円額面を採用している。
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株式の上場

 株式の上場とは、東京、大阪、名古屋などに代表される証券取引所での売買を認め、その売買取引によって決定された価額を相場として公表することを指す。新規に株式を上場するには、証券取引所に申請、審査を受けなければならず、上場株式数、純資産などの条件に基づいて審査が行われる。現在は、将来性のある中堅企業に上場の機会を与える目的で、審査基準が緩和される傾向にある。
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直接募集と間接募集

 株式発行において、買い手となる投資家を募集する方法として、直接募集と間接募集がある。直接募集とは自己募集とも呼ばれ、発行会社が自ら投資家に働きかけ新株を売る方法であり、間接募集とは、発行会社から委託を受けた引受証券会社が募集を行う方法であり、委託募集とも言う。
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引受会社

 引受会社とは、会社が新株等の有価証券を発行する際にそれを引受け、適切な発行条件に基づいて不特定多数の投資家に売りさばく会社を指す。引受会社が介在することで、発行会社は予定した発行額を確実に調達できる上、投資家は適正価格で株式を購入できるといった利点がある。証券の引受は証券業務であり、銀行などの金融機関はこれを行うことができない。しかし、国債、地方債、政府保証債の引受については、銀行等も行うことができる。
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買取引受

 買取引受とは間接募集の一種であり、引受会社が発行済株式の全てまたは一部を取得して自己名義にし、同時にこれを投資家に販売する方法を指す。新株発行に際して売れ残りが発生し、発行体の資金計画に狂いが生じるのを防止する目的がある。買取引受とは通常、全額買取であるため、巨額な資金が必要でリスクも大きい。売出価格は、原則として引受価格と同一である。
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残額引受

 残額引受とは間接募集の一種であり、新株発行の際、申込期間が過ぎても応募額が予定した額に達しない場合、引受会社が残額を取得する引受方法を指す。
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公開売出し

 公開売出しとは、株式の上場に先立って株式の公募または売出しを行うことを指す。売出価格の決定には一部競争入札制度が採用されてきたものの、価格が高くなりすぎるといった問題等が出てきたため、最近では、投資家の希望価格を参考に、主幹事証券会社と発行会社間の協議によって価格を決定する方法(ブック・ビルディング)が採用されている。
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店頭登録

 店頭登録とは、上場基準を満たしていない企業が、日本証券業協会の定める店頭登録基準を満たすことで、証券取引所をを通すことなく証券会社の店頭で直接取引することを指す。店頭登録においても、公開売出しが行われる。
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株式について
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公社債の発行市場
公共債の発行方法
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第5章~証券流通市場~
公社債市場
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利回り
株式の流通市場
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短期金融市場
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