不良債権に関する用語:証券業務入門講座

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不良債権に関する用語

不良債権

 回収困難に陥った貸付金を指す。利益を生まない資産として、金融機関のバランスシートに計上されている。従来の不良債権の分類基準があいまいであったため、金融監督庁(現金融庁)は、自己査定による新基準で不良債権額を報告するよう金融機関に義務付けた。これにより金融機関は、1998年3月期決算から貸出資産の内容を4段階で自己査定している。このうち、回収に重大な懸念のある債権(第3分類)と回収不能債権(第4分類)を不良債権と定義している。
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灰色債権

 不良債権には含めないものの、将来、不良債権となる可能性を秘めている債権を指す。金融機関の自己査定における第2分類債権である。金融機関によって定義が異なるため、健全性の度合いが一定にならないという問題がある。
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金利減免債権

 債権者が、経営難に陥った企業などの債務者に対し、貸付金利を当初の契約時よりも下げたり、免除したりする債権を指す。都銀などは、1995年9月期決算から、公定歩合以下の金利減免債権を発表している。
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金利延滞債権

 利払いが滞っている債権を指す。都銀、長銀、信託銀行は、1993年3月期から、利払い停止から6ヶ月以上経過している債権を公表している。
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不良債権の処理

 不良債権を償却することで貸倒れのリスクを回避することを指す。直接償却、間接償却、債権売却の3つの方法がある。
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債権売却

 不良債権を償却する方法の1種で、不良債権の担保となっている不動産を時価で売却し、帳簿上の記載金額と売却額の差を損金計上する。
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自己資本

 貸借対照表の貸方における負債以外の項目の合計であり、株主が払い込んだ資本金や資本準備金に加え、それらが生み出した利益の蓄積である利益準備金、剰余金等の合計を指す。自己資本が不足すると、経営の健全性が失われる。
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債務超過

 欠損金が自己資本を超過し、資本勘定全体がマイナスとなることを指す。この場合、企業の全資産が他人の資本によってまかなわれていることになる。
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直接償却

 償却すべき債権を、貸借対照表から直接削除する方法を指す。具体的には、償却すべき金額を損金計上した上で、同じ金額を貸借対照表の債権と自己資本の両方から減額する。
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間接償却

 回収不可能と見込まれる債権をすぐに償却するのではなく、一旦、引当金を計上し、回収不能が確定した場合に備える不良債権処理の方法を指す。損益計算書で費用として貸倒引当を計上し、貸借対照表の負債勘定に同額の貸倒引当金を計上、自己資本から同額を控除する。不良債権の回収不能が確定すると、債権および貸倒引当金から控除し、その段階で償却される仕組み。
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過剰流動性

 経済の取引規模を大幅に上回って通貨が発行され、過度の金融緩和状態に陥ることを指す。中央銀行は、通貨の適切な管理によって物価を安定させることを金融政策の目的としているが、政府や外国からの圧力によってこうした目的が達成できない場合がある。日本では、大幅な円高時に行き過ぎた金融緩和政策をとったことで、過剰流動性が発生することがあった。
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総量規制

 大蔵省(現財務省)が1990年4月から1991年末にかけて実施した、不動産向け貸出しを抑制する規制を指す。具体的には、金融機関の不動産関連融資残高の前年同期比増加率を、全融資残高の増加率の範囲内にとどめると同時に、建設や不動産、およびこれらの関連ノンバンク向け融資の実行状況を報告することを義務付けた。

 ただし、住宅融資のシェア低下に悩んでいた住専は総量規制の対象外となり、これにより、住専は不動産関連融資を積極化させ、バブル発生の一因となった。
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提案融資

 銀行が融資を行う際、資金の活用方法を取引先にアドバイスすることを指す。バブル期に、銀行は建設業者などと協力し、中小企業や個人が有する遊休土地の活用方法についてアドバイスを行い、それらの土地を担保に融資を積極化させた。これによって土地ブームに火がつき、地価高騰の原因となった。
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財テク

 企業が本業を離れ、資金調達や運用を積極的に行って利益を稼ごうとすることを指す。1980年代の金融緩和期において、企業は銀行借入れに始まり、転換社債やワラント債の発行など多岐にわたる方法で資金を調達し、それを株式や不動産投資にまわして利益を上げた。
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メインバンク制

 大手企業が資金調達や運用を行う際に、中心となる特定の銀行(メインバンク)を通して行う慣行を指す。メインバンク1社では対応できない大規模な資金調達の場合でも、メインバンクが幹事役をつとめて協調融資を行うのが主流であった。
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コーポレート・ガバナンスの崩壊

 コーポレート・ガバナンスとは、株主や債権者などの資本提供者と従業員や取引先などの利害関係者が企業経営者を監視し、効率的な経営を行わせて企業価値を高めようとする仕組みを指す。日本では従来、メインバンクが株主に代わり、債権者の立場から企業経営者をモニタリング・監視する役割を担ってきた。

 しかし、1980年代に入って企業の自己資本力が強化され、金融の自由化・国際化によって資金調達手段が多様化したことで、企業はメインバンクから遠ざかるようになった。これにより、メインバンクによる監視機能が働かなくなり、企業が暴走するきっかけとなった。さらに銀行も、ほとんど審査を行わず、甘い貸出し条件で融資を積極化させ、企業の安易な投資を促進させる一因となった。このように、日本的コーポレート・ガバナンスが崩壊したことにより、バブルが発生したとの見方が多い。
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