社債の受託業務:証券業務入門講座

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社債の受託業務

社債の受託業務

 従来、銀行の行う社債の受託業務と呼ばれていたものには、募集の受託と担保の受託の2つの種類があり、社債の発行会社と投資家をつなぐ重要な業務として位置づけられていました。
 平成5年10月に施行された社債法(商法、担保附社債信託法等)の改正により、この社債の受託会社制度の見直しが行われ、従来の募集の受託会社は廃止することとし、社債権者保護の観点から社債の管理を行うべきものとして、新たに「社債管理会社」の設置が義務付けられました。

 すなわち、従来の社債募集の受託会社の業務には、社債の管理以外に、社債申込証の作成、払込金の受領などの社債の発行会社のために行う事務も含まれており、その設置も任意とされていましたが、今回の改正では、募集の受託会社の業務を社債の募集事務と社債管理事務に分別し、前者の事務は発行会社と受託会社の間の任意の契約に委ねることとし、後者の事務を「社債管理会社」に委ね、その設置を原則として強制することとしたものです。この社債管理会社になれるのは、銀行と信託会社および担保附社債信託法第5条の免許を受けた会社に限られています。社債管理会社は原則として3行までとされており(単独の場合もありますが)複数の場合には1行が代表管理会社となり、あとの2行は副管理会社となります。
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社債管理会社の権限

 社債の発行会社は社債管理会社との間で社債管理委託契約を締結しなければなりませんが、この契約の内容は、社債権者のために社債の管理をすること、つまり社債権者に代わって社債の償還を受け、債権の保全の措置をとり、社債権者集会(社債権者の利害に重大な関係を有する事項について、社債権者がその意思を決定するために臨時的に開催される集会)の決議にもとづいて和議等の執行を行うことなどとなっています。

 商法309条1項では、この社債管理会社の権限を「社債権者のために、弁済を受け、または債権の実現を保全するために必要な一切の裁判上または裁判外の行為をする権限」と規定しています。

 また、社債管理会社は、その事務を遂行する上で、社債権者に対し公平誠実義務・善管注意事務を負うとともに、法令違反や社債権者集会の決議に違反する行為をして社債権者に損害が生じたときには損害賠償責任を負う旨の規定がなされています。

 <権限>
 ①償還請求
 ②社債権者集会の決議にもとづく権限
 ③発行会社の業務・財産状況の調査権
 ④社債権者集会の召集・出席・意見陳述
 ⑤社債権者集会の決議の認可請求・執行
 ⑥報酬・費用等の請求
 ⑦弁済等の取消しの訴えの提起
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担保付社債

 社債管理会社の設置が原則として強制されるのは無担保債の場合ですが、担保付社債の場合はその設置は任意とされています。
 ただし、この場合は担保の受託会社の設置が強制されており、これに、社債の管理の面に関し、社債管理会社と同一の権限の付与と義務の負担をさせることとしています。

 したがって、担保付社債の場合には、通常は社債管理会社は設置されず、担保の受託会社が社債管理会社の役割を兼ねることとなります。
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担保の受託会社の業務

 ①担保の保存…担保権の登記や登録、保険の管理、担保の変更などを行います。
 ②担保の実行…発行体が期限に社債を弁済しないなど、期限の利益を喪失したときに行います。
 なお、社債に付すことのできる物上担保は法律で次の19種類に限られています。

株式質 船舶抵当 自動車抵当 道路交通事業抵当 動産質 軌道抵当 航空機抵当 港湾運送事業抵当 鉄道抵当 企業担保 建設機械抵当 観光施設財団抵当 工場抵当 運河抵当 漁業財団抵当 自動車交通事業抵当 鉱業抵当 不動産抵当 証書ある債権質
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