金融政策に関する用語その1:証券業務入門講座

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金融政策に関する用語その1

金融政策

 物価の安定や国際収支の均衡といった公共的目的を達成するため、中央銀行が各種の金融政策手段を用いて経済のマクロ的側面に働きかける政策を指す。財政政策と同様、総需要を調整することで経済の安定化を目指す総需要管理政策の根幹をなしている。最近では、物価の安定を最優先する中央銀行が増加している。
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金融政策の手段

 中央銀行が金融政策の操作目標に働きかけるための手段を指し、公定歩合操作、預金準備率操作、国債や手形のオペレーション、の3つの方法がある。先進国では国債や手形のオペレーションが一般的であり、公定歩合操作や預金準備率操作はほとんど行われなくなった。
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ポリシー・ミックス

 複数の政策目標を達成するために、いくつかの政策を組み合わせて行うことを指す。財政政策と金融政策の組み合わせが主流で、1980年代前半に実施されたアメリカのレーガノミックス(減税で投資や消費を刺激、抑制的金融政策でインフレを抑える)はその代表例である。
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日銀貸出

 日銀が民間の金融機関に対して実施している貸出で、手形割引と手形貸付がある。手形割引は、民間金融機関が割り引いた手形の中で、信用度が高く再割適格と認められるものを日銀が割り引く方法であり、手形貸付は、国債や政府保証債を担保とする3ヶ月以内の貸付を指す。一般貸出のほかにも、日銀法第25条に基づく日銀特融があり、日銀が最後の貸してとして信用維持のために無担保、無制限で融資する。
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公定歩合操作

 日銀が民間の金融機関に対して貸付を行う際に適用される基準金利(公定歩合)を操作することを指す。一般に公定歩合とは、商業手形割引歩合、または、国債や指定優良債券・手形を担保とする貸付利子歩合を意味する。

 公定歩合を引き上げる(引き下げる)と銀行等の資金コストが上昇(低下)し、市中金利やマネーサプライの増減に影響を及ぼすのに加え、金融政策のスタンスを表すアナウンスメント効果もある。1995年までは金融政策の手段の中心的存在であったが、公定歩合がコール・レートを下回るようになったことで形式的なものとなった。
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預金準備率操作

 民間銀行が有する預金等の一定割合を日銀に預ける準備預金制度において、預金準備率を操作することを指す。預金準備率が引き上げられる(引き下げられる)と、無利子で日銀に預ける資金が増加(減少)するため、金融機関にとっての資金コストが上昇(低下)し貸出資金量が減少(増加)する。
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操作目標

 財政政策と異なり、金融政策は直接、総需要に働きかけることができないため、最終目標の前に操作目標を置き、操作目標をコントロールすることで間接的に総需要に働きかける仕組みになっている。操作目標には短期の政策金利と量的指標(金融機関の準備預金等)の2種類があり、現在は政策金利が主流である。日本の場合はコール・レートを、アメリカの場合はフェデラル・ファンド・レートが操作目標となっている。また、最終目標と操作目標の間に中間目標(マネーサプライや市中金利等)が設定される場合もある。
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マネーサプライ重視政策

 金融政策の操作目標として量的指標を置き、これをコントロールすることで中間目標であるマネーサプライに働きかけようとする政策を指す。1970年代から80年代にかけ、欧米主要国や日本でも注目を集めた。しかし、準備預金を初めとする量的目標とマネーサプライの関係が不安定であることに加え、準備預金などを直接コントロールすると金利が乱高下するといった問題が発生し、採用されなくなった。
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オペレーション

 中央銀行が金融市場で短期金融商品を売買することを指す。

 ①市場のブローカーを介して入札方式で売買する公開市場操作、②特定の金融機関を相手に売買するインターバンク市場操作、の2種類があり、日銀のオペレーションは手形を対象としたインターバンク市場操作が大半を占めていた。しかし、1980年代後半からはCDやTB(短期国債)の、1999年度からはFB(政府短期証券)のオペレーションが公開市場操作で行われるようになった。
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アナウンスメント効果

 人の心理に影響を及ぼして政策効果をもたらすことを指す。例えば、公定歩合操作は、コスト効果とアナウンスメント効果を持つと言われてきた。コスト効果とは、公定歩合の引き上げにより民間銀行の借入れコストが上昇、民間銀行は貸出金利を引き上げざるを得なくなるので、結果として金融が引き締まるというもの。

 一方、アナウンスメント効果は、今後も色々な金融引締め政策がとられ、景気上昇が抑制されるであろうという予想を企業や個人に持たせ、追加投資や追加借入れを控えさせるものである。しかし、1989年1月から短期プライムレートが公定歩合連動から短期市場金利連動に移行したため、公定歩合操作のコスト効果はほとんどなくなり、現在はアナウンスメント効果のみになったと言われている。
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金融政策の有効性

 金融政策の手段が、インフレ抑制や景気回復といった金融政策の最終目標をどの程度実現できるかということを指す。日本においては、1960年代まで企業の慢性的資金不足が続いたため、都銀の日銀信用依存体制が恒常的に定着しており、金融政策は比較的効果があった。しかし、70年代以降は企業の資金不足が解消されたのに加え、国際化が進んで資金調達手段が多様化したため、金融政策の有効性は次第に薄れている。
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