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免責申立のできる回数・免責不許可事由について
免責申立のできる回数
免責制度は何度でも活用できるものなのでしょうか。破産法では、再度の破産申立を規定する条項はありませんから、破産申立は何度でもできると考えられますが、同じように免責もできると考えるのは間違いです。というのは、破産法では、破産者が免責申立をするときには、その10年前に免責決定を受けているときには、それが免責不許可事由になるとされているのです。
したがって、そのようなケースでは、再度の免責決定は原則として不可能なわけです。
免責不許可決定
裁判所は、審尋の結果、破産者に免責不許可事由がなければ免責決定をすることになります。免責不許可事由がある場合には、免責不許可決定がなされますが、免責不許可事由があっても、裁判所の裁量によって免責決定がなされることも少なくありません。
実際に、ギャンブルで借金をし、その返済のために借金を重ねたケースで、免責が認められた事例もあります。また、最近では、借金の全部を免責するのではなく、一部を免責し、残った部分について返済させるという判断も出ています。免責不許可事由があっても、あきらめることはないのです。
免責不許可事由
1.破産財団を隠したり、壊したり、債権者に不利益に処分したとき
2.破産財団の負担を偽って多くしたとき(たとえば虚偽の抵当権など)
3.商業帳簿を作成する義務があるのに、作成しなかったり、不正確・不正の記載をしたり、帳簿を隠したり、破り捨てたりしたとき
4.浪費や賭博などの射倖行為で著しく財産を減少させたり、過大な債務を負担したとき
5.破産宣告を遅らせる目的で著しく不利益な条件で債務を負担したり、信用取引で商品を買い入れ、著しく不利な条件で処分したとき
6.偽りの事実を記載した債権者名簿を提出したとき
7.すでに返済不能の状態にあるにも関わらず、そうでないかのように債権者を信用させて、さらに金銭を借り入れたとき
8.破産原因があるのに、特定の債権者に特別の利益を与える目的で担保を提供したり、弁済日前に弁済したとき
9.免責申立前10年以内に免責を得たことがあるとき
10.破産法が定める破産者の義務に違反したとき
免責不許可事由のケース
いかにもおいしい宣伝文句で多重債務者を集め、カードで大量に買い物をさせて、それらの商品を購入価格の3~4割で引き取る買取屋と呼ばれる人種がいます。この買取屋を何回にもわたって利用したことによって、免責が不許可になったケースがあります。このケースは詐欺罪で摘発され、多重債務者も共犯になりかねません。
また、競輪・競馬などのギャンブルによって多額の借金をかさね、そのために給料の管理をわざわざ弁護士に委任したにもかかわらず、クレジット会社に偽って金銭の借入や、物品購入を繰り返したケースでは「破産者としての誠実性に欠け、裁量免責の限度を超える」として、免責が許可されないケースもあります。このほか、破産宣告前に、債権者が疑惑を抱くような行為をした破産者が、遠隔地に転居して破産管財人の説明要求に応じなかったので、説明義務違反で免責が許可されなかったケースもあります。
浪費や賭博などの射倖行為で財産を著しく減少させたり、過大な債務を負ったケースは「過怠破産罪」となって免責不許可事由となります。
免責不許可事由に該当するとしても
免責不許可事由に該当する事情があるからと悲観して、「免責決定にはならない」と早合点して、自己破産の申立をやめてしまう多重債務者が少なくありません。免責不許可事由に該当することがあったとしても、サラ金やクレジット会社などの取立にそれこそ朝から晩まで悩まされているというのであれば、たとえ免責決定がむずかしいときでも自己破産の申立をするべきです。
自分のなかに免責不許可事由に該当するのではないかと思われる事実があったとしても、全体としてみると免責不許可事由には該当しないとされたケース、また、免責不許可事由が認められたとしても債務者の将来的な立ち直りのために免責されたケースも数多くあるのです。仮に免責不許可事由に該当する事実があり、明らかに免責決定はムリだというケースであっても破産宣告だけは受けることができるのです。
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